海外進出101

アメリカの税金の種類と進出時に見落としがちな3つの税務申告


日本と比較すると、アメリカの税金の仕組み・税務は複雑です。

主な理由として、アメリカには連邦法人税と州、地方自治体に支払う3つの税金があるためです。特に州の法人税は州ごとに大きく異なり、複数の州をまたいで営業活動を行なっている場合、それぞれの州のやり方に合わせて税務申請をしなければいけません。

また、税率も常に一定ではなく、年々更新されるため常に最新情報にアンテナを貼っておく必要があります。

本記事では、これからアメリカ進出を考える企業様に向けて、アメリカ税務の概略がわかるように、1) 連邦法人税率、2) 各州の法人税率、3) 主な税務申告フォーム一覧, 4) 給与税の種類、5) アメリカ進出時に見落としがちな3つの税務申告をご紹介していきます。

※アメリカにて給与税、グロスアップ計算を行う際の実務的な注意点をまとめた「アメリカ給与税チェックリスト41 〜給与税の解説からグロスアップ計算まで〜」もご確認ください。

連邦法人税率は一律 21%

連邦法人税は、2017年12月Tax Cuts And Jobs Actの署名により、2018年1月1日から一律21%になりました。

※詳細は、内国歳入庁(IRS) “Resources for Tax Law Changes “内の”Tax Cuts and Jobs Act“をご参照ください。


州法人税率は州によって全く異なる

州法人税率は州ごとに異なり、カリフォルニア州やニューヨーク州等高税率を設定している州や地方自治体もあれば、テキサス州のように州法人所得税の発生しない州もあります。

州法人所得税が存在しない州においては、他の税金(売上税、固定資産税等)が高い可能性が高いため、あわせて確認する必要があります。

以下では2019年の10月時点での州別税率をご紹介します。

州法人税 備考
アラバマ 6.5%
アラスカ 0.0% – 9.4%
アリゾナ 4.9%
アーカンソー 1.0% – 6.5%
カリフォルニア 8.8%
コロラド 4.6%
コネチカット 7.5%
デラウェア 8.7% 総売上に対してGross Receipts Taxes ( 0.0945% to .07468%)が別途かかる
フロリダ 5.5%
ジョージア 5.8%
ハワイ 4.4% – 6.4%
アイダホ 6.9%
イリノイ 9.5%
インディアナ 5.5% 2020年の6月30日までは5.5%
2020年の7月1日から2021年の6月30日までは5.25%
2021年の6月30日以降は 4.9%
アイオア 6.0% – 12.0% 2021年までに9.8%まで税率を落とす予定
カンザス 4.0% – 7.0%
ケンタッキー 5.0%
ルイジアナ 4.0% – 8.0%
メーン 3.5% – 8.9%
メイランド 8.3%
マサチューセッツ 8.0%
ミシガン 6.0%
ミネソタ 9.8%
ミシシッピ 3.0% – 5.0% 2022年の初めまでに3%のレンジを廃止する予定。
ミズーリ 6.3%
モンタナ 6.8%
ネブラスカ 5.6% – 7.8%
ネバダ なし Gross Receipts Tax 有り
ニュー・ハンプシャー 7.7%
ニュージャージー 6.5% – 11.5%
ニューメキシコ 4.8% – 5.9%
ニューヨーク 6.5%
ノースカロライナ 2.5%
ノースデコタ 1.4% – 4.3%
オハイオ なし 1 Million以上のGross Receiptsがある場合は、Commercial Activity Taxが0.26%かかる。
オクラホマ 6.0%
オレゴン 6.6% – 7.6%
ペンシルベニア 10.0%
ロードアイランド 7.0%
サウスカロライナ 5.0%
サウスデコタ なし
テネシー 6.5%
テキサス なし 1 Million以上のGross Incomeがある場合、0.5% – 1%かかる。
ユタ 5.0%
バーモント 6.0% – 8.5%
バージニア 6.0%
ワシントン なし Gross Receiptsに対してBusiness and Occupation (B&O) taxが0.138% – 1.5%かかる。
ウェストバージニア 6.5%
ウィスコンシン 7.9%
ワイオミング なし
ワシントン D.C. 8.3%

※州別税率については、こちらをご参照ください。Tax Policy Center
State Corporate Income Tax RatesState Corporate Income Tax Rates and Brackets for 2019


連邦・州・市ごとの主な税務申告フォーム一覧

以下ではアメリカでビジネスをやる際の税務申告のリストをまとめました。

アメリカ進出時に納税義務のあるTaxをあまり理解していないためにトラブルになるケースもあります。申告を忘れたり、遅延した場合はペナルティの対象になる可能性がありますので、忘れず申告するようにしてください。

フォーム 名前 説明
Federal Form 1099 Miscellaneous Income 個人事業主や弁護士など社外サービス提供者への支払を記録及び申告するための申告書
Form 1042 Annual Withholding Tax Return for U.S. Source Income for Foreign Persons 海外居住者の米国源泉所得申告書/海外居住者が米国で源泉徴収された所得への申告書
Form 1120 U.S. Corporate Income Tax Return (Federal) 法人税申告書(連邦)/米国法人税の申告書
Form 1120-W1120’s Estimate Tax Estimated Tax for Corporation
(Federal)
法人税予定納税(連邦)/予定納税を行なうための申告書
State
例:California
CA: Corp Estimate Tax Estimated Tax for Corporation (State) 法人税予定納税(州)/予定納税を行なうための申告書
CA: Form SI-200 Statement of Information 登記の際にFiliningが必要。毎年$25支払必要あり。E-filing可。
CA: Minimum Franchise Tax Minimum Franchise Tax 事業会社が納税しなければならないMinimum taxを納税するための申告書。CAで事業を行い、Income taxを納税している会社は不要。
CA: Sales Tax/Use Tax Return for Sales, Use and Withholding Taxes 購入時に未徴収だったSales taxを納税するための申告・納税
Local
例:California
City: Business License Business License 通常その市でBusinessをするのであれば取得が必要。市をまたいでの移転の場合、旧CityでLisenceを取り消し、新Cityで登録必要
County: Form571-L Property Tax 固定資産税の申告・納税

連邦・州・市ごとの給与税(所得税)の種類


連邦の所得税、州の所得税、郡・市の所得税があります。米国で勤務する従業員は全員、所得に対して連邦と従業員が勤務する州に対して所得税を支払わなければいけません。さらには、郡・市・地方団体に所得税を支払わなければならないこともあります。

米国では給与システムを通し給与支払いを行うことが一般的であり、給与システムから所得税は自動的に納付されます。

Payroll Taxes Flow 給与税の流れ (※給与システム会社を使用する場合)

Payroll Taxes Flow 給与税の流れ

もし給与システム会社を使用しなければ、雇用者は通常給与システム会社が行ってくれる当局への納税・申告書の提出を各自で行わなければなりませんので、給与システム会社を利用することをオススメします。

下記表は一般的な給与税の内容になっています。州や自治体により異なる可能性があるため、詳細についてはお問い合わせください。

Payroll Taxes 給与税 (  )は省略名

Employer Tax
雇用者負担税
Employee Tax
従業員負担税
Federal
連邦税
会社法税務
Social Security Tax
(FICA-SS)
Social Security Tax
(FICA-SS)
Medicare Tax
(FICA-Med)
Medicare Tax
(FICA-Med)
Federal Unemployment Tax
(FUTA)
Federal Income Tax
(FIT)
State
州・税
State Unemployment Insurance Tax
(SUI)
State Unemployment Insurance Tax
(SUI)
State Disability Tax
(SDI)
State Disability Tax
(SDI)
State Income Tax
(SIT)
Local
郡・市税
Local Income Tax
School District

アメリカ進出時に見落としがちな3つの税務申告

本記事のまとめとして、アメリカ進出時に見落としがちな税務申告3つをご紹介します。

1. 売上が発生しない場合のSales & Use Tax (売上税・使用税)の申告

アメリカ進出初期は売上が発生しない企業様も数多くいらっしゃいます。しかし、売上が発生しない場合でもSales & Use Taxの申告義務があり、金額をゼロにして申告する必要があります。

申告をしなかった場合は、州当局から手紙が届き、Sales & Use Taxの申告をするように連絡が来るので注意が必要です。

2. アメリカ進出遅延に伴う給与税の申告

アメリカ進出時は当社の予定通りに計画が進まないことが度々あります。例えば、計画していたビザの取得が遅れたり、物件の確保が遅れるなど様々な理由で遅延するケースをよく目にします。

その際に、問題になるのが給与税の申告です。
当初予定していた進出計画が遅延して、駐在員をまだ派遣できていない状態の場合、給与はまだ発生していないのですが、申告義務は生じます。

この場合、1つ目のSales & Use Taxと同様に、給与の支払い額をゼロにして申告する必要があります。申告がされていない場合はIRSから通知がくることになります。

3. 個人事業主、弁護士、会計士に依頼した分を記載するForm 1099

個人事業主、会計士・弁護士に依頼した仕事に対してはForm 1099を提出しなければならず、個人事業主、会計士・弁護士にどれだけの金額を支払っているかを申告する必要があります。


米国パソナでは御社のアメリカ経理業務をワンストップでサポート

最後に、弊社では御社のアメリカ法人の経理機能を一括で代行する米国進出企業向け経理・給与サポートサービスを提供しており、現在300社以上のアメリカでの経理や給与業務のサポートを行なっております。
米国パソナでは東京オフィスだけではなく、カリフォルニア、ニューヨーク、テキサス、イリノイ、ミシガン、ジョージアなど、全米に10拠点を持ち日英両方の言語での対応も可能です。

また、これからアメリカ進出を検討する段階の企業様に対してもこれまで約35年をかけて培ってきたデータ・実績を元に、アメリカ進出にかかる全体費用の概算、アメリカ進出時に起こりやすいリスク事例や進出事例、進出希望地域の雇用情勢や給与相場に関する情報をご紹介可能です。

これからアメリカ進出を検討するという方でもご相談可能です。問い合わせフォームよりご連絡ください。相談無料です。


アメリカへの進出でお困りのことがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

お電話でのお問い合わせは、 03-6734-1273 午前9:00-午後5:00 (日本時間 土日祝日除く)