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アメリカ法律情報

FLSAのExempt(エグゼンプト)とNon-Exempt(ノンエグゼンプト)


アメリカで採用をする上で押さえておきたい Exempt(エグゼンプト)とNon-Exempt(ノンエグゼンプト)の問題。

アメリカでは従業員を、大きくエグゼンプトとノンエグゼンプトの2種類に分かれており、その分け方はアメリカでの雇用や給与に関する法律、FLSA (Fair Labor Standards Act)にて規定されています。FLSAでは給与の平等をはじめ、最低賃金や残業代などを規定しています。

エグゼンプトに対しては労働時間や残業代の規定から免除(エグゼンプト)することができる一方、ノンエグゼンプトに対しては、規定労働時間を超えて働いた場合などには残業手当の支払い義務が発生します(ノンエグゼンプト)。

FLSA

現在の米国連邦法では、原則週40時間を超えて働く社員には残業手当を支払うことになっています(州の雇用法により異なる場合あり)。

ただ「エグゼンプト」とみなされた従業員に対しては残業手当などの支払い義務は発生しません。


エグゼンプトとノンエグゼンプトの振り分け

エグゼンプト、ノンエグゼンプト、従業員がどちらのグループに属するかの判断は雇用者が行うのではなく、FLSAで定められている規定「エグゼンプション・テスト」によって分類されます。

エグゼンプト、ノンエグゼンプトの分け方に関して、FLSA内の「主要職務(Job Duties)」と「給与(Salary Bases)」の2点によって決定されます。

エグゼンプト (残業代が不要)に該当する従業員の条件は以下の通りです。

エグゼンプトの対象

  • 主要職務
    • Executive
    • Administrative
    • Professional
    • Salespeople
    • STEM (Science, Technology, Engineering, and Math) employees
    • その他
  • 給与
    • 給与形態がSalaryベース (Hourlyベースは対象外)
    • $455/週 ($23,660/年※)以上の収入がある
  • その他
    • 対象の従業員がEmployee Testsの要件を満たす必要がある。

※2020年の1月から金額が$684/週 ($35,568/年)となる。

主要職務に関しては、単なるジョブタイトルではなく、具体的な職務内容によって判断されます。以下では、参考までにExecutiveを例に、どのような職務内容が求められるのかをご紹介します。

Executive

  • 該当する従業員の主要職務は企業をマネジメントしている、もしくは習慣的に企業の中で認知されている部門もしくは支部をマネジメントしている。
  • 該当する従業員は習慣的かつ日常的に、2人以上のフルタイムの従業員の仕事を指示している
  • 該当する従業員は他の従業員を解雇する権限を有する、もしくは該当する従業員の採用・解雇・昇進など、他の従業員のステータスの変更に関わる提案・推薦がある一定程度のウェイトを占める
  • The employee’s primary duty must be managing the enterprise, or managing a customarily recognized department or subdivision of the enterprise; 
  • The employee must customarily and regularly direct the work of at least two or more other full-time employees or their equivalent; and
  • The employee must have the authority to hire or fire other employees, or the employee’s suggestions and recommendations as to the hiring, firing, advancement, promotion or any other change of status of other employees must be given particular weight.

参考: https://www.dol.gov/whd/overtime/fs17b_executive.pdf

その他のポジションに関する規定に関しては、Employee Testsをご確認ください。


FLSAの規定に加えて、州ごとに条件が異なる

上記でご紹介したFLSAの規定に加えて、州ごとの条件も満たす必要があります。

例えば、進出先として人気のカリフォルニア州は、大規模の会社に勤める従業員の場合は最低 $49,920/年、小規模の場合は $45,760/年以上の給料に満たない場合は残業代を支払う義務があります。

各州ごとの規定に関しては、State Department of Laborのウェブサイトをご確認ください。


残業代訴訟の原因となるミス・クラシフィケーションを防ぐためには

近年の残業代訴訟において最も多いのが「法的にノンエグゼンプト従業員と認められる社員を、企業がエグゼンプト従業員として誤って認識し、業務に従事させていた」というミス・クラシフィケーションのケースです。

このようなリスクを回避するために、規定に照らし合わせて、従業員がエグゼンプトなのか、ノンエグゼンプトなのか理解・判断することが重要です。また、可能であれば弁護士などの専門家に一度相談されることをお勧めします。

弊社米国パソナでは、アメリカで35年にわたり、アメリカ現地の日系企業様の採用活動をサポートしてきた経験から、アメリカ現地の信頼できる弁護士の紹介も無料で行なっております。

また、アメリカでの採用に関するケーススタディも豊富にありますので、採用に関してご相談がある場合も一度、こちらの問い合わせフォームよりお問い合わせください。


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