海外進出101

アメリカ法律情報

At Willの原則


従業員ハンドブックやオファーレターには必ず「Employment At Will」という一文が存在します。この一文はアメリカの従業員と雇用主の関係を表しており、「任意に基づく雇用」と日本語で直訳されます。具体的には、Employment At Will (以下、At Will)は従業員も雇用主も、いつでも理由なく退職/解雇できる雇用であることを意味します。

しかし、このAt Willの雇用形態だからといって、雇用主は本当に従業員をいつでも解雇して問題ないのでしょうか。よく企業様から質問を頂くのが、「即日解雇でも、At Willだから問題ないですか」です。At Willがあったとしても他の理由(例:差別など)が解雇に関与していると従業員が訴えた場合、At Willは通用しません。よって、At Willが通用しない状況である"Exception"を理解しておくことが重要です。

  1. Public Policy違反:(例)陪審員制度など、国や州が定めた国民の義務に従事するために、従業員が欠席したことが解雇理由にあたるとき。その他、企業が不正をしたことを告発したなどを理由に解雇するとき
  2. Implied Contract違反: (例)口頭又は書面で、長期雇用を保証しているとき
  3. Implied Covenant of Good Faith and Fair Dealing違反: (例)セールスコミッションの支払い対象期限に満たないよう解雇することで、コミッション対象者から外すように仕組むとき
  4. その他のException: (例)連邦公民憲法第七章(Title 7, Civil Right Act)で禁止されている雇用差別(例:Race, Color, Religion, Sex, National Origin)がベースになっているとき

あくまでも例の一部ですが、解雇時に上記において思い当たる節があれば、At Willが通用しないかもしれないと思ってください。企業が意図したわけではなく、たまたま解雇時期が陪審員制度のお休みや産休などの保護されたお休みの間/直後に起こってしまうなどの場合も注意が必要です。また、At Will Exceptionは、連邦と州で様々な基準が設定されていますので、特に解雇の際は従業員が働く州の基準を犯していないかをご確認下さい。

解雇時が一番従業員が訴える機会を与えやすいと言われています。解雇される従業員が解雇理由や通達までのやりとりをどう受け取るかが、訴える可能性に影響します。不当解雇や差別を一度疑われ訴訟問題に発展したら、莫大な時間と費用がかかりますので、At Willの前提があっても、解雇をはじめ雇用関係の変更時は、慎重に対応されることをお勧めします。


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